リカステの育て方

リカステの育て方・アドバイス
リカステを365日楽しむ・・・
最近はコンポスト(植え込み材料) はバークが主流となり育て方、年間管理(ミズゴケ植え)に違いが出てきました。 バーク植えをもとにした新しい解説を準備中です。しばらくお待ちください。

掲載されている内容はミズゴケ使用の例です。

日本リカステ協会

原生地
メキシコ、グアテマラなどの中南米で生まれたリカステ。 標高の高い山に地生または、着生しています。
Lycaste(リカステ)は、ギリシャ神話に出てくるトロイア王’ プリアモス’の娘”リカステ”にちなんで名付けられたと言われています美しく、 奥ゆかしい王女だったんでしょうね。
リカステを365日楽しむ方法です。
《新芽が出る時期・・・(3月~5月)》
新芽を育てるスタートの時期。その新芽が鉢をはみ出してしまうような時は植え替えをしなくてはなりません。
新芽が3センチから15センチになったころです。根の様子も先が白くぐんぐん伸びようと動き始めています。鉢からはずし根を痛めることなく古い苔はそのまま付けて鉢増しします。
水苔と杉皮を2:1くらいの割合で水に戻し混ぜ合わせます。
鉢底にコンポストを少し入れマグアンプKを15~20粒程いれます。そして、新芽が出ている方向にだけコンポストを付けます。そのまま鉢にぎゅっと押し込みます。
こうして鉢増し(植え替え)が終わります。 あとはこの新芽をどんどん大きく育ててあげれば良いのです。
ポイント
置き場所は5月10日くらいまでは霜の当たらない日当たりの良い場所。
晴れた日には毎日水をたっぷりやる。
1週間に1度を目安に2000倍の窒素の比が多い液肥をやる。ただし、それぞれの環境や固体差があり、その時の植物の様子をよく観察しながら、肥料を吸収できるような元気な状態であるかどうか、よく見てあげてください。バルブにツヤがあり、新芽の勢いが良く、根の先が黄色く生き生きと伸びていることが、元気かどうかの判断基準になります。
風に当てるのも植物には大切なことです。
梅雨の前に殺菌剤で病気の予防を1度しておきます。
置き肥をしてもよい。
《暑い夏を乗り切る》
気温が日中30度を越す真夏はリカステは生長というより休眠状態に近くなります。 少しでも気温を下げるため、早朝に葉と地面に水をかけておきます。 鉢内に水を溜めてしまうとその水が日中の高温でお湯状態になることがあります。 根が弱ると病気にもなります。

ポイント
あまりにも暑い日は夜水をたっぷりやる。朝は葉と鉢の周りの温度を下げるために潅水する。 鉢内にはあまり多く水を入れない。暑くて光合成が出来ないため水を吸うことができないので・・・。
遮光で気温を下げる。70%くらい。戸外なら広葉樹の木の下がいい感じです。
風を当てる。温室なら扇風機。戸外なら自然の風。
《バルブを生長させたい秋》
夜温が下がってくるとリカステも元気をとりもどします。リカステが最も光合成を盛んに行う気温は24,5度のようです。暑かった夏に比べて秋は乾燥しやすく、 また光合成も盛んになるため鉢内の水がすぐに無くなってしまいます。この時期の潅水が最も大切です。>
ポイント
とにかく晴れた日は水をたっぷり。午前中は遮光を薄くして、腰水につけてもいいくらいです。
光合成に必要な養分を液肥で補う。花芽分化のために燐酸・カリの比が高いものを。
夜温が下がったときにも病気が発生しやすいので殺菌剤を予防的に打っておく。万が一病気が出てしまったら(バルブが柔らかくなって腐るような病気になってしまったときだけは抗生物質をつかいます。)その他は、キノンドーや、ジマンダイセンなど。マイシン剤の乱用は返って薬剤の効果を低めることもあります。どうしても、の時だけにしましょう。
夜の温度が10度~5度くらいになるまで低温にしっかり合わせてから室内に取り込む。

《冬の温度管理が翌年の株を作る》
花芽がついたら、それを育てるためにはやはり薄い液肥(2000倍)は継続して潅水します。
室内に取り込んだとき気をつけたいのは、カトレアやファレなどとの雑居温室の場合、温度設定が高くなりがちです。リカステにとっては10度くらいが適温です。最低5度でもかまいません。15度を超えると呼吸量が光合成の量を越え消耗の方が上回ってしまい、バルブが衰えてしまうのです。その衰えが翌年のスタートに影響します。

ポイント
室内に取り込んで、風通しが悪く湿度が高くなると病気に罹りやすくなります。
冬もできるだけ日光に当て、晴れた日は潅水します。
冬の夜温が15~18度になると新芽が動きだしてしまいます。新芽の早いスタートは花芽の時期やバルブ充実の時期のズレにつながります。くれぐれも夜は低温で管理してください。
年間を通して大切なのは自分の目で見て、リカステの要求を感じ取ることだと思います。 それぞれの環境に合った管理方法が必ず見つかるはずです。 葉・根・バルブの様子をよく観察しながら一番光合成の出来易い環境を作ってあげることが良い花を咲かせる ことにつながるのではないでしょうか。
以上、リカステについてでした。夏咲きのアングロカステについてもほぼ同じ管理で大丈夫です。 アングロカステはリカステに比べ丈夫で花付も良いので管理も若干容易です。